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コンサルタントとシンクタンク、似ていると感じる方もいらっしゃるかもしれません。今回の記事では、両者のビジネスの違いや求められる要件の違いについて解説していきたいと思います。
コンサルとシンクタンクそれぞれの目的
コンサルティングファームはあくまでもクライアントの課題解決をサポートすることが目的です。このため、課題解決を実現するためのプロセスの一つとして、調査をすることがありますが、最終ゴールはクライアントが抱えている課題を解決することだとご理解ください。
一方でシンクタンクの目的は、いかに専門性を追求し、当該領域に関する詳細な調査や分析結果を提供できるかに重きを置いています。なので、専門性の高いレポートを執筆しているシンクタンクも多いかと思います。
両者の違いを具体的なプロジェクト事例で見てみましょう。
◆主要タスク
① インド市場のマーケット調査
② インド市場における競合調査
③ クライアント企業の強み・弱みの整理
④ ①~③を踏まえたインド進出戦略の立案
ありがちなプロジェクトです。どのタスクがコンサルティングファームが実施するタスクで、どのタスクがシンクタンクが実施するタスクだと思いますか?
コンサルティングファームは①~④全てを実施します。あくまでも、「インド進出をしたいけど本当にすべき・できるかわからない」という経営課題を解決するのが目的です。そうなった場合には、①~④のタスク設計も実施した上で、必要な調査・分析を行い、最終的には進出に向けた具体的な戦略立案までをサポートするのがコンサルティングファームなのです。
※プロジェクトによっては、そもそもなぜインド?というところからスタートして、インド以外に有望な場所がないかどうか等にも検討範囲を広げる場合もあります。
シンクタンクの場合は①②のみしか実施ができません。専門性の高い調査機関として、マーケット情報や企業情報を徹底的に調べ上げる力は備わっていますが、その結果を踏まえた戦略立案までは関わらないことが一般的です。
このため、実際にはクライアントの能力・余力・予算等の要素によって例えばこのような形でプロジェクトが進みます。
- ①~④を全てコンサルに丸投げ、意思決定だけをクライアントが行う
(予算があるが、能力・人的要員が不足しているケース) - タスクの全体像をクライアントが設計した上で、①②をシンクタンクに任せて、その結果をインプットに③④のタスクをクライアントが独力で行う
(予算が限られているものの、能力・人的要員は足りているケース)
コンサルとシンクタンクそれぞれに求められる人材要件
上述の業務内容を踏まえるとどのような人がコンサル・シンクタンクそれぞれに求められるでしょうか?
コンサルはクライアントベースで臨機応変なサポートをしたい人に向いている
コンサルは単なる調査で終わることはなく、そもそものタスク設計や調査をインプットに先の戦略を検討するサポートをします。なので、あくまでもクライアントの課題解決をする目的を達成することを念頭に様々な仕事を柔軟にフットワーク軽く取り組める人に向いています。
詳細はこちらの記事も読んでみてください。
シンクタンクは一つの分野の専門性を追求したい人に向いている
シンクタンクは一つの専門分野の調査を徹底的に行うので、一つのことに打ち込むことが得意な人には向いています。事業会社や官公庁からの依頼ベースで調査を行うだけでなく、分野毎の独自レポートを定期的に刊行しているシンクタンクもあります。どちらかというと大学の研究者に近しいかもしれませんね。
また、シンクタンクは日本企業的な要素を含む企業が多いため、比較的長期的な目線で着実に成長をしていきたい方に向いています。
まとめ
- コンサルはクライアントの課題解決が目的である一方、シンクタンクは専門領域の調査・分析を目的とした企業
- このため、コンサルはクライアントの課題解決のために臨機応変に色々なタスクができる人に向いている一方、シンクタンクは腰を据えて一つの分野を極めたい人に向いている
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