戦略コンサル・総合コンサル・ITコンサルの違い~企業の先生と言うけれどコンサルは一体何をしているのか?


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コンサルを見始めてすぐの方はコンサルという職業が一体全体なにをしているのかよくわからないのではないでしょうか?何を隠そう僕自身もあまり理解をしないままにこの業界に入ってきていたので、その反省を生かして皆さんにお伝えしていきたいと思います。

コンサルと呼ばれる会社のプロジェクトはざっくり3種類、①戦略案件、②業務案件、③IT案件に分けることができます。それぞれ具体的に解説していきましょう。

戦略案件

これはイメージしやすい方も多いのではないでしょうか?コンサルといったときに多くの人が思い浮かべるような種類の案件です。

  • インド進出戦略の立案サポート
  • 新規製品販売に伴う事業戦略の立案サポート
  • 中期経営計画策定のサポート

例えばこんな案件です。お客さんの相手方はかなり役職の高い方がでてくるのが戦略案件の特徴です。例えば経営企画・事業部門の部長レベル・取締役会・CXO等を相手にプレゼンをし、クライアント企業の経営や事業の方向性を決めるサポートをするような案件です。

例えば、「インド進出戦略の立案サポート」のような案件だと、コンサル側はこのようなタスクを実施します。

  • 現地ニーズの確認
  • 競合情報の把握
  • クライアントの強み・弱みの整理
  • 事業シミュレーションの作成
  • 進出に向けてのロードマップ策定

「情報を整理した上で、戦略を立案し、クライアントの意思決定をサポート」

するのです。

戦略案件は短期のものが多く、短いと1週間、長くても3か月程度の案件がほとんどです。また、プロジェクト人数も少なく、平均的には3名ほどのメンバーで戦略案件の場合にはプロジェクトを遂行します。

業務案件

業務案件はなかなかイメージしづらいかもしれません。例えばこんな案件が業務案件に当てはまります。

  • インド進出に伴う新規事業構築・立上サポート
  • 会計業務の効率化サポート

例えば戦略案件のところで触れたインド進出の戦略案件が無事に完了し、クライアントがインド進出を決めたとします。ただ、それだけだと実際には何も動かず、実際にインド進出を実現するためには製造・販売・調達・管理系部門それぞれがどのような業務プロセス(どのような業務をどのような順番で誰が実施するか)を踏むかを定義してあげる必要があります。

また、二番目の例であげた「会計業務の効率化サポート」ですが、こちらもよくあるパターンの業務案件です。昨今の働き方改革の影響で残業時間を減らすことがクライアント企業の至上命題だった場合に、「外部の視点からみてどうしたら業務を効率化できますか?」と引き合いがきてプロジェクトが立ち上がるようなケースです。こうした案件の場合には、

  • 現状の業務プロセスのヒアリング(=ムダの洗い出し)
  • 競合企業やコンサルのベストプラクティスを踏まえた理想の業務プロセスの定義
  • 理想の業務プロセスに改革するサポート

等をプロジェクトとして遂行します。業務案件の場合は、クライアントの業務を細かく把握して、改善につなげていくので必然的にプロジェクト期間も比較的長くなります。戦略案件が3か月程度だったことに対し、業務案件は半年~1年程度かかる場合が多いです。また、相手とするお客さんも戦略案件の時よりは現場よりのお客さんになり、各事業部門(財務、経理、調達、販売、購買等)の課長やそれ以下の担当者と詳細を毎日のようにディスカッションして決めていくのが特徴です。プロジェクト人数も戦略案件に比較すると若干多くなり、5~20名程度がざっくりとした人数になるでしょうか。

IT案件

IT案件は新事業立ち上げや業務効率化の手段として「IT」を活用するケースで登場します。

  • 基幹業務システム(SAP等)の導入に伴う業務効率化サポート
  • RPAの導入に伴う業務効率化サポート

SAPって何?RPAって何というかたはこれらの本を読んでみてくださいね。

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簡単にいうと、IT案件はITの導入をします。ただ、お客さんの言う通りにシステムを導入するわけではありません。あくまでもコンサルなので、あるべきITの仕組みを提案し、クライアントと議論して最適なシステムを構築するサポートをします。(※コンサルはプログラミングはしません。)

  • あるべきシステムの動きを定義
  • 設計書に反映
  • プログラミングをする部隊・会社に発注/進捗・品質の管理
  • テストの実施
  • 新システムへの切り替えサポート

上記のようなタスクをこなしていきます。当然、戦略・業務案件と比較すると細かいところまで決めないといけないため、プロジェクト期間はより長くなります。半年~場合によっては数年単位になることもあります。また、関与人数も大幅に増え、外注先のメンバも含めると50~100名規模になることも珍しくありません。

ITコンサルとSEの違いはこの記事でも解説していますので、興味ある方は読んでください。

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まとめ

コンサルと一口に言ってもやっている内容は多岐にわたります。おおまかなには①戦略、②業務、③ITに分類することができ、それぞれの特徴は下表の通りです。

  人数 クライアントの部門・役職 プロジェクト期間
戦略 2~3

経営企画、CXO、取締役会

3か月程度
業務 5~20 各業務部門の課長・担当者 半年~1年程度
IT 20~ 各業務部門の課長・担当者

最短半年(通常年単位)


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